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下にスライドして行って、見てくださいね。 2009.11.11UP 2023.07.22更新

FT-817 ND ファイナル ⇒ 自作リニア化改造

ファイナル基板を、自作リニアに置き換える改造です。

部品がそろっていれば、1時間くらいで完了します。
改造内容は、かなり簡単だと思います。

ただし、UHF帯とVHF帯での送信は、出来なくなります。
HF帯だけで良いと、割り切れる方のみ。




きっかけ・・。

ファイナル ・ スルー改造 のみで、十分と思っていたのですが、
気が向いたので、冗談のつもりで、チャレンジして見ました。(笑)

ファイナルを修理するのに、FET
2SK2975 を購入してあります。
通常に修理するのであれば、交換するだけでOKです。

しかし、それでは面白くないので、ファイナル部分を、2SC1306 を使った、
プッシュプルのリニアに改造してみました。

50MHz帯まで使用できる、2SC1306に交換してみました。2021年追加
50MH帯でも、1W弱の出力がでるようになりました。
29MHzFMは、5Wに調整しました。追加ここまで

UHF帯とVHF帯が、送信不可になる理由。
2SC1306 の定格では、70MHz帯あたりが限界のようです。
430MHz と 144MHz での送信はできません。
普段から、交信しない周波数なので、自分としては問題がありません。

50MHzは、調整により、ギリギリOKかな〜と言うところです。

送信出力について。
定格を見ると、効率50%としても、1石で 4W は出ますから、
プッシュプルで、うまく調整できれば、5〜6W 近くまで行けるかな〜と思います。

今回は、2SC1306 を使用しましたが、他のトランジスタでも使えます。

トランジスタの取り付け(放熱)が、フランジ部分でしか出来なかった為に、
少しパワーを絞って使った方が良いかも知れません。 (画像参照)


事前に準備する内容について。

ファイナルユニット基板は、下記を参照して取り外しておきます。
FT-817 の ファイナル ・ スルー改造など
作業前の注意事項も、ご覧下さい。


まず、メイン基板を取り外します。    

同軸2本と、フレキ2枚を外してから、基板を止めているネジを取り外します。

幅が広いフレキは、茶色の小さなコネクターパーツを、
上に 90度 起こすと、外すことが出来ます。

ロックした状態。                上に 90度 起こした状態。  
 


幅が狭いフレキは、差し込んであるだけですから、 同軸コネクターは、引き抜くと外せます。
引き抜くと外れます。
 


メイン基板を取り外したところ。
BNCコネクターに接続されている同軸が、テープで止めてあります。
このテープで固定されていると、作業がやりにくいので、取り外します。



                             このコネクターに、裏側のPA基板からの
赤い線の部分で、テープをカットします。     ピンが接続されます。 (+電源です。)
          


取り外した、メイン基板の表側です。
しかし・・・・、部品が、・・・ほとんど付いてないイメージなんですけど。(笑)



メイン基板の裏側です。
普段、裏側は見ないですから、初めて見ました。

ファイナル以外で、ダイキャストのシャーシに、
直接放熱している部品って、無いんですよ。

受信だけでも、シャーシが熱くなるのに ? どこから熱が出てる。(謎)



PA基板の取り外し。
下記のように、ファイナル基板を取り外しておいて下さい。
 


M型コネクターへの配線を、ハンダゴテで外し、
数本のネジを外せば、PA基板が外れます。



PA基板での作業について。
PA 基板の裏側です。
ハンダ付けされている、フェライトコアのトランスを外す為に、
で囲った部分のハンダを取り除きます。

メイン基板と、電源を接続するコネクター部分のピンが長いので、
出来るだけ、曲げないように、気を付けて作業します。

少し曲がったくらいでは、修正できますから、ご安心を。
最悪、折れても、ジャンパーすれば直せます。




ハンダを取り除いて、表側にある、マッチングトランスを取り外します。
自分は、復旧するつもりは無いので、ニッパーで、パッチンと切り取りました。
( トリファイラー巻きで、巻き直せば、元に戻せます。)

復旧する予定があれば、慎重に取り外します。
また、このフェライトコアに代わる物を、入手しておく必要があります。
     


リニア出力トランスからの配線接続について。
出力トランスに、3回巻いたエナメル線の端を、
それぞれ、
にハンダ付けします。

104 のコンデンサの片足を、
から入れて、
青線のように
にハンダ付けしておきます。

は、使用しません。

1 GND マイナス  2 単独中継  3 基板回路へ
4 リレーへ(フィルター回路へ) 



PA基板の、不要なパーツを取り外しました。      
ファイナル基板と、フェライトコア 3個などが、取り外してあります。

トランジスターの取り付け状態を見る為に、仮に戻したところです。

PA基板を元通りに戻す前に、コイルを巻き直した、リニアの出力トランスを
ハンダ付けして、取り付ける必要があります。

下記は、トランジスタ仮取り付けの画像です。
当初は1石で組む予定でしたが、プッシュプルに変更しました。



すみません、いきなり完成した画像です。      
短時間で、組み上がったので、途中で休みながら
撮影する間もなく、完成してしまいました。

フェライトコアは、元々付いていた物を転用していますが、
コイルは、巻き直してあります。 ( 巻き数は、各画像を参照 )

回路は、一般的なトランジスタ プッシュプル・リニアです。
ネットで検索すると、参考回路が出てくると思います。

現時点では、NF をかけていません。
バイアス電流値は、後で調整が必要と思います。

よく見ると分かりますが、トランジスタが、ベタ付けになっていません。
フランジ部分のみ、シャーシに接触している状態です。



ドライバー段側から、写した画像です。
リニアの入出力トランスは、元々付いていた物を転用しています。

ドライバーからの出力は、0.1μF のセラミックコンデンサを通してから
リニア入力トランスの巻き線に接続します。 (拡大画像を参照)

バイアス抵抗は、仮に、100KΩ と 12Ω を組み合わせています。
 ( これは、きちんと計算していません。 他のSSBファイナルのパクリです。)



ドライバー出力部と、入力トランスコイルの接続部。



 (入力トランス) ドライバー出力側 4回巻     バイアス用のRFCは、手持ちの
リニア入力(ベース)側 1回巻           フェライトビーズに、3回巻いています。 
 


バイアス抵抗などの接続詳細。
ファイナル基板に供給されていた、バイアス用の電源を、
抵抗を通してベースに供給しています。



バイアス関係の接続詳細。
入力トランスの1回巻きセンタータップに、コンデンサ104とRFC から、
の配線が接続されます。



出力トランスの接続詳細です。

(出力トランス)  リニア出力側 1回巻、リレー(フィルター)側 3回巻。
オレンジの線が、コレクターに供給する電源になります。



トランジスタの取り付けは、放熱シートと、樹脂ブッシュを使い、
シャーシと絶縁しています。
このように、足を曲げて、何とか取り付けられるスペースしかありません。

フェライトコアは、UHF まで対応している物ですから、コイルの巻き数が、
これで合っているかは分かりません。
検討の余地があると思います。 

入出力のトランスに使用したコンデンサは、手持ちのマイカコンデンサを使用。

入力側が、151 + 221 で、370PF、 出力側が151 で 150PF です。



さっそく、送信テストして見ました。
周波数は、28.015MHz、終端型電力計でテストした結果です。

外部電源を使用、FMモード、出力切り替えは、5W 。
この条件で送信して、
約 6W 出ています。
SSB だと、ピークでは、それ以上に針が振れています。
               


ただし、ハード的に改造しただけでは、まともに出力が出ません。
アライメントメニュー (裏メニュー) で 出力値や送信IFゲイン、
過電流値の調整などが必要です。
詳しくは、下記を参照して下さい。⇒  
pikiwiki FT-817

ソフト的に調整する前だと、2W位 の出力でした。
ファイナルユニットが、すっかり別物に変わった訳ですから、調整が必要になります。
しかし、設定値を変更するだけですから、難しくはありません。

設定値を、大きく変更すれば、出力も増大しますが、ドライバー段などへの
負荷も大きくなります。

FT-817 は、ノーマルの状態でも、出力設定値を最大にすると、10W 出るらしいです。
設定値を変更する前に、現在の値を、必ずメモしておく必要があります。

他の部分(トランジスタやFET)を壊さないように、注意が必要です。

HF帯では、それなりに出力が出ていますが、50MHz は、ゲインが足りないようです。
2SC1306を使用した場合、50MHzで、1W弱の出力でした。
もう少し、ハード的にも、改善した方が良いのかな〜と思っています。


その他。

手持ちの部品を使ったので、材料費がかかりませんでした。
部品を購入したとしても、1500〜2000円 位でしょうか。

細かい調整は、後から必要ですが、取り合えず使えるようなので、
ひと安心と言ったところです。

まだ、調整途中なので、追試される方は、気を付けて下さい。
バンドによっては、不具合が出る可能性があります。

バイアス電流が適正値であれば、以降のフィルター回路は、
そのままですから、スプリアスなど、大丈夫かと思います。

改造後の、「 電波の質 」については、検証していませんから、ご了承下さい。

こんな、アホな改造する人って、あんまり居ないんでしょうね。(笑)

実験として行っていますから、真似しても良いですが、
すべて、
自己責任でお願いしますね。

同じように改造した場合は、設備の変更申請が必要になりますので、注意して下さい。

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