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下にスライドして行って、見てくださいね。

CB機 28MHz改造 間違いだらけの調整方法!?


ここや、他のサイトなどを参考にして、CB機を28MHzに改造された
方もいるかと思います。
送信部の調整方法について、補足説明しておきます。

みなさん、スプリアスとか気にしてますか!
無線機により違いがありますが・・・・こんな経験はありませんか?

親石水晶を抜いているのに、送信すると、それなりの出力が出てしまう。
これは、間違いなく スプリアスをばら撒いていますよ!!

無線機とアンテナの間に、ローパス・フィルター や バンドパス・フィルターを入れている局が多いですが
スプリアスは 元から断たなきゃダメです。

スプリアスの原因について
【 クリスタルシンセサイザー式のCB改造機 】
子石水晶(局発)の3倍にあたる高調波を出力してしまう現象です。

子石水晶は、10MHz台ですから 3逓倍すると30〜31MHzです。
つまり、28MHz と 約2〜3MHz しか違いません。

したがって、送信部の調整がうまく行かないと、不要な30〜31MHz台の電波も
ドライバー〜ファイナルで増幅されて、28MHzの電波と共に出力されてしまいます。

【 PLL式のCB改造機 その1 】
PLL回路の出力周波数に、局発の10.240MHzを混合して28MHzを作り出す機種では
10.240MHzの3逓倍された30.720MHzがスプリアスとして出やすいと思われます。

【 PLL式のCB改造機 その2 】
PLL回路の出力周波数に、局発の10.695MHzを混合して28MHzを作り出す機種を
29.000〜29.700MHz帯のFMモードなどで使用する場合。
10.695MHzの3逓倍された32.085MHzがスプリアスとして出やすいと思われます。

対策はあるのか?
CB改造機の場合は、改造ベースにした無線機により、かなり対策が違います。
送信部の、周波数混合回路の後に、バンドパス・フィルターが有るか無いかで違ってきます。

2段〜3段の バンドパスフィルター がある場合は うまく調整すれば、
スプリアスをかなり抑える事ができます。
送信出力は低くなっても、28MHzのみを通すように調整して下さい。

バンドパス・フィルターが無い機種の場合は?
サトー電気などで販売している 「 FCZ 28MHzコイル 」 を使って、
バンドパスフィルターを自作して取り付けましょう。
こちらを参考にして、自作して下さい。 ⇒ バンドパスフィルターの自作回路図

これを周波数混合回路の後に、取り付けて調整してください。
そんな取り付けは、難しいと言う場合は、バンドパスフィルターがあるCB機を探しましょう。

送信部の調整は、ダミーロードだけでOKなのか?
送信部を調整する場合、「 必ずダミーロードを使用して行ってください。」
という話をよく聞きます。

確かに、保証認定を受ける前の無線機であれば、正式に電波は出せないので
その通りだと思います。
建前として、保証認定を受けた後の話として下記を展開して行きます。

ダミーロードとは
ダミーロードは、共振性の無い純粋な負荷です。
無線機の出力に、どのような周波数が含まれていようとも、吸収してしまいます。

ダミーロードと無線機の間に、SWR&電力計を入れると、SWRメーターの針は、
ほとんど振れないはずです。 (反射波が発生しないと言う事です。)

ダミーロードを使用した調整方法の盲点
ダミーロードを使用して、出力が最大になるように調整 した場合は、
28MHz帯以外の周波数も含んだ、スプリアス成分の出力MAXに
調整してしまう可能性があります。

出力が最大になるように調整して、28MHz帯に合わせたつもりでも、
実は、かなり調整点がずれている可能性があります。

ダミーロードでのテストでは、調子が良かったのに、アンテナをつないだ途端、
SWR値は悪いし、パワーも下がったと言う経験をした方も多いのではないでしょうか。

それでは、どうすれば良いのか?
最終的には、良くマッチングの取れた、28MHz帯モノバンドのアンテナを接続して、
各コイルを調整して下さい。

調整時は、モービルアンテナなどの 短縮率の高いアンテナを使用するのがベストです。
短縮率が高いアンテナとは、ローディングコイルなどで全長をかなり短くした物です。
短縮率が高いアンテナは、共振点が明確 (SWRが良好な周波数の帯域幅が狭い) です。


調整時は くれぐれも、他局に混信などの迷惑がかからないように、注意して下さい。

出力も最大限に出したい所ですが、SWR値が良好になるように、
各コイルを調整して下さい。

アンテナは、特定の周波数に共振しますから、それ以外の周波数が
含まれていた場合は、反射波となります。
つまり、送信出力に、スプリアスが多く含まれている場合は、SWR値が悪くなります。

下記のような構成でも、調整ができると思われます。

高価なスペクトラムアナライザーなどの測定器が無くても、アマチュア的な
工夫で、少しでもスプリアスを減らすように調整しましょう。

【 2025.10.23 追記 】
上記の記載内容は、保証認定に スプリアス測定データの添付が不要だった時期に
記載した内容です。
簡易的にスプリアスを抑える調整方法となります。

現在では、保証認定の申請に スプリアスを測定したデータの添付が必要となりました。
NanoVNA や、TinySA など安価なスペクトラムアナライザーが普及しています。
それらの測定器を使用した調整と データの記録が必須となります。

アマチュアなりの工夫で、楽しみましょう!!


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