下にスライドして行って、見てくださいね。
学研 ニューラジホーン6 28MHz改造 2024.04.01 更新
【 注意点 ・ 送信回路について 】
ラジホーンの ほとんどの機種が、RF送信部が1石（1ステージ）だけの構成です。
このような構成では、アマ機として、JARDの保証認定が通らないと思われます。
ニューラジホーン6は、送信部が2ステージなので保証認定を通せます。
【 運用上の注意点について 】
元々が、免許不要の微弱無線局機として、設計されています。
使用方法としては、他局に迷惑が掛からない条件で、自己責任での運用になると思われます。
無線設備として登録せずに、アマ局としてコールサインを使用して運用すると、違法となる可能性があります。
水晶を交換しただけの28MHz改造では、アマ局として正式には使用できませんから
お遊びでの 近距離連絡用とか、室内イベント時の連絡用途などで、お茶を濁して下さい。
【 受信回路について 】
下記のラジホーンですが、受信回路は、超再生方式です。
超再生式の特性として、設定した周波数の近隣にある電波も拾って受信してしまいます。
特に、Esシーズン等では、強力な電波の局ばかり受信してしまうので、実用にならないと思われます。
受信動作している時に、不要輻射（不要な電波）のバラまきがあります。
【 受信部について 】
基板のパターンから回路を見て行ったところ、受信部は下記のような構成でした。
初段にRFプリアンプがある超再生検波です。
【 送信部について 】
受信時にプリアンプとして動作していた2SA350が、水晶発振のOSCとなります。
超再生検波を担っていた2SC460は、変調トランスから電源を供給され、終段としてコレクタ変調をかけています。
AF-Preアンプは使用されず。AF-Driver段にマイク（スピーカー）が接続されます。
終段以降に ローパスフィルターなどがありませんので、アマ機として使用するには対策が必要となります。
【 受信部の調整について 】
�．瀬漾璽蹇璽匹鮴楝海靴織▲浹� 又は、アンテナを伸ばしたラジホーン（水晶交換済みの物）を送信状態にしておきます。
�∨気納�信しながら、TX-終段＆RX-超再生コイルを最大感度に合わせます。
��受信出来るギリギリの場所まで離れたら、TX-OSC＆RX-Preコイルを最大感度に合わせます。
�と掌把�VRがありますが、RF-Pre 出力のゲイン調整用です。
次段の超再生検波部で発振などの問題が起きなければ、最大値でも良いと思われます。
【 送信部の調整について 】
TX-終段 ＆ RX-超再生同調コイル と、TX-OSC ＆ RX-Pre同調コイル は、送受信兼用です。
送信の調整で コイルコアを動かすと言う事は、受信調整で合わせた同調点をずらしてしまう事になります。
その為 基本的には、送信時のコイルコア調整は不要です。
送信周波数を微調整する場合は、水晶発振子の方で調整します。
クリック ⇒ 水晶の周波数を動かしたい場合。
【 受信部の調整後に行う、送信出力の調整 】
��TX-終段 ＆ RX-超再生同調コイル は、動かしません。
��TX-OSC ＆ RX-Pre同調コイル を、送信出力最大値に合わせます。
送信出力は微弱なので、調整には 電界強度計などを使用します。
クリック ⇒ RF小出力 検出用パワーメーター
アンテナを長い物に交換したり、ラジアル線の追加や、同軸ケーブルで外部アンテナを接続する場合は、
各コイルコアの再調整が必要になります。
同軸ケーブルの芯線接続時には、セラミックコンデンサを直列に挿入する等の
対策が必要になる場合があります。（容量は適宜選択 or トリマコンデンサなど）
【 参考画像 】
下記は、回路を追って行くのに使用した画像です。
左のパターン面は、上から透過して見た状態に反転してありますので、右の部品画像と合わせると
回路を把握し易いです。
基板のコモンは＋側となります。
使用されているトランジスタのほとんどが、2SAや2SBのPNPタイプです。
2SC460 ですが、元々は2SAタイプの物で設計されていたようです。
下記で □ 内の1〜1'〜1などは 同調コイル1次巻線、 2〜2は 次段へ接続される 2次巻線です。
【 保証認定用系統図 】
ローパスフィルターを追加記載しただけです。
参考程度にご覧ください。
【 同軸ケーブルを接続（仮） 】
アンテナ線が出ていた箇所に、そのまま同軸ケーブルの芯線を接続。
シールド線は、基板のコモン（プラス）側に接続。
特に、コンデンサ等は使用しませんでした。
【 送信出力を測定 】
RF電力計の入力上限が＋16dBm なので、アッテネーター 20dB＋20dB＝40dB を使用。
RF電力計と、アッテネーターは、較正していません。
正確ではありませんが、目安にはなるかと思います。
【 出力測定結果 】
コイルコア 2箇所を最大出力値に調整した時の結果です。
受信時 ・ 送信時の調整を適正に行った場合は、これよりも かなり低くなると思われます。
送信時の電池電圧は 8.48Vで、電力計の表示は、下記の通りです。
14.0dBm ＝ 25.1mW です。
【 スプリアス値の測定 】
スプリアスが大きく出ている 9kHz〜200MHzの範囲で測定してみました。
スプリアスの出方を見る為の測定なので、27.125MHz 水晶を使用した測定となります。
【 スプリアス測定結果 】
かなり n倍の高調波（スプリアス）が出ています。
27.125MHzの 3倍にあたる高調波は、81.375MHz付近となりますから、FM放送帯に被ります。
このスプリアスでは、アマ機としても保証認定が通りません。
下記は、コメットの MODEL CF-30S カットオフ30MHz ローパスフィルターを通した測定値です。
不要なスプリアスが綺麗に消えています。
送信出力が14.0dBm（25.1mW）の場合、スプリアスは基本波の搬送波電力より27dB以上
低い値であれば良いので、新スプリアス基準は十分にクリアしています。
【 考察 その他 】
測定時に、各コイルコアを、送信出力が最大になるように調整しました。
しかし、受信時にも同じ同調コイルが使用されます。
受信周波数を合わせたコアの位置と、送信出力を最大にしたコアの位置は、
イコールにはならないと思われます。
実際に外部アンテナ等の実負荷が掛かった状態ではないので
出力の測定結果は参考程度に見て下さい。
実際は、もっと低い出力になると思われます。
製品の用途が、子供向けの玩具なので、数百メートル届けば良いわけです。
送信出力値などは さほど問題にはなりません。
受信も超再生式なので、ある程度アバウトな調整でも、遊びで使用する分には
十分な性能と言う事なのだと思います。
【 変調度をＵＰする改造 】
送信時には、マイク（スピーカー）がAF-Driver段に、1μFの電解コンデンサを介して接続されます。
AF-Preアンプは、電源も供給されて生きているのですが、使用されずに遊んでいます。
そこで、AF-Preアンプを使用して増幅度を高めるようにする、ちょっとした手直しです。
手持ちの個体でしか検証していません。
増幅度が高すぎてダメな場合は、赤線と接続先の間に抵抗を入れて下さい。
交信時の了解度を上げる事を目的としているので、音が歪むなどの副次的な問題には関知しません。
【 水晶ソケットの取り付け 】
基板の水晶が取り付けられている箇所を見ると、取り付け用の穴が大きいです。
元々、水晶ソケットを取り付ける為の穴サイズだったのかもしれません。
樹脂カバー付きのソケットだと、高さが出ますから、樹脂の中からソケットだけを取り出して
ハンダ付けすれば、水晶が裏蓋に当たらないかもしれません。
水晶をソケット式にした為、水晶が裏蓋に当たるので、画像のように穴で逃がしました。
【 BNCコネクターの取り付け 】
ロッドアンテナは取り外して、BNCコネクターを取り付けました。
手元のコネクターで、ロッドアンテナの穴に丁度合う物がありました。
画像のように取り付けて、裏フタを閉めてからBNCコネクターの出ている部分を少し右に回すと締め付けできました。
コネクターを内側で締め付けるナットが、筐体に当たってカラ回りを防ぐようになっています。
アンテナを取り外す時に、強く左に回し過ぎるとコネクターの締め付けが緩みますね。
調べた所、秋月電子通商で販売しているBNCコネクタ BNC-J メス 丸座絶縁が
同じ物と思われます。
ハンディー機として使用する場合は、約20cm長の ラバーヘリカルアンテナを使用します。
【 交信可能な到達距離などについて 】
27MHz帯を使用した 玩具トランシーバーを用いた遠距離交信ですが、
過去において各局さんがチャレンジしています。
28MHz 改造後も、同様な結果になるかと思われます。
交信時の環境ですが、河川敷内や、 山頂〜平野部など、
障害物が無く 見通しの良い場所となります。
�／緇修鮓魎垢靴心甼颯肇薀鵐掘璽弌次、諭〜蠎蟠匹蝋臻�CB機。
この場合は、合法CB機の受信性能に助けられて、交信が成立したり
コールボタンによるブザー音が確認できたようです。
�▲蹈奪疋▲鵐謄覆鮖藩僂靴� 玩具トランシーバー間での場合は、
使用する機種にもよりますが 1km未満が限界のようです。
（参考サイト） かしわFX886 様 ⇒ かしわFX886 玩具トランシーバー調査部
【 外部アンテナの使用について 】
元々が微弱出力機なので、コネクタや同軸ケーブルでの損失、
アンテナで反射されてしまう電力（VSWR値）を考えると厳しい物があります。
チューナーなどを使用して VSWR値を下げているアンテナの場合は、基本的にダメだと思います。
マッチングの良く取れた 28MHzモノバンドアンテナを使い、お互いのアンテナ間に障害物が無く
見通せる状態で、なおかつアンテナのビームパターンと偏波面も一致させる。
上記の条件を満たしても、数キロも離れると まともな交信は難しいと思います。
ゲインのある 1/2λGP、5/8λGP や、HB9CV、八木アンテナなどで
微弱な出力を補う方法もあると思います。
【 その他 】
1970年代〜に販売されていた製品ですから、もう製造から40〜50年以上経過しているんですよね。
電池を入れると、普通に動作してしまうのが、すごいと思います。
当時の、Made in Japan さすがです。
元々が、子供用の玩具として発売されたトランシーバーですから、暇つぶしに
いろいろと改造や改良して、楽しんで見るのも良いかと思います。
免許が不要な微弱無線局として使用する場合は、現行の電波法を逸脱しないように、お願い致します。
『 当該無線局から 3mの距離において その電界強度が 500μV/m 以下のもの 』 と言う規則があります。
送信機の出力が○○mW以下 と言うような電力値での規制ではなく、電界強度で測定した値である事に注意が必要です。
下記は、Wiki 微弱無線局に記載されている、新・旧規則の違いを、分かり易くした表となります。
新規則に対応した、微弱無線局は、旧規則と同じ15μV/m で比較すると、到達距離が短くなっているのが分かります。
上記を参考にして、改造した無線機を運用する場合は、
自己責任にてお願い致します。
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