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下にスライドして行って、見てくださいね。


PLL回路の分周比 N について

説明文の訂正と、追加をしました。(2008.09.07)


分周比 N とは ?

PLL回路の系統図で、分周比 N=128〜178とか、N=330〜286 とか記載があります。
さて、この N とは何でしょうか??

CB機の場合は、チャンネルセレクター (ツマミ)がありますよね。
その先には、デジタルスイッチ (ロータリースイッチ)が付いています。

このデジタルスイッチにより、作り出された(選択された)数値と考えて下さい。

実際には、DIVIDE-BY-N COUNTER  (プログラマブル・カウンター)の
分周比を選択するためのスイッチにすぎません。



PLL式 CB機の デジタルスイッチ (ロータリースイッチ)

考え方として、40チャンネル機の場合は、8〜9回路、ロータリースイッチの
接点出力が出ていると考えて下さい。

それぞれのデジタルスイッチからの信号は、PLL‐ICの分周比プログラム入力ピンに
接続されるので、P0、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8 などと表しています。



デジタルスイッチ(ロータリースイッチ)各接点の考え方

スイッチが、+5V 側に接触している時は(信号として Hi)、
そのスイッチが受け持っている数値が有効になると考えて下さい。

スイッチが、0V(GND)側に接触している時は(信号として Lo)、数値を 0 とします。


P0〜P8までのスイッチが受け持つ数値(桁)について

P0 = 1
P1 = 2
P2 = 4
P3 = 8
P4 = 16
P5 = 32
P6 = 64
P7 = 128
P8 = 256


チャンネルセレクターの位置により、P0〜P8スイッチの状態( HiかLoか )が決まっています。

例えば、CB機の pace8030 の場合について例を挙げてみます。


例 1チャンネルの場合

P0(Lo) = 0
P1(Lo) = 0
P2(Lo) = 0
P3(Lo) = 0
P4(Lo) = 0
P5(Lo) = 0
P6(Lo) = 0
P7(Hi) = 128
P8(Lo) = 0 (実際の pace8030 の回路では、P8 はありません。)

以上のように、P7 だけが Hi なので、Nの数値は 128 となります。
この分周比 128 が、1チャンネルになります。


例 40チャンネルの場合

P0(Lo) = 0
P1(Lo) = 0
P2(Hi) = 4
P3(Hi) = 8
P4(Lo) = 0
P5(Hi) = 32
P6(Lo) = 0
P7(Hi) = 128
P8(Lo) = 0 (実際の pace8030 の回路では、P8 はありません。)

以上のように、P2、 P3、P5、P7 が Hi なので、4+8+32+128 となり、Nの数値は 172 となります。
この分周比 172 が、40チャンネルになります。

説明に、かなり不備な点もありますが、ここまで理解出来ましたでしょうか?


ところで何を言いたいのかと申しますと・・・・・?!
デジタルスイッチの各接点出力により選択された
分周比 N で、PLLの出力周波数が決まっているんですよ。

そんなの分かっとるわい〜と怒らないで下さいね(笑)

つまり、LoopOSCの水晶なんか交換しなくても、CB機の機種によっては、
分周比 N を変えてやるだけで、28MHz改造が出来てしまうんですね〜。

各CB機についての、チャンネル追加改造は、海外のホームページにて、
たくさん紹介されていますので、参考にすると良いと思います。



実際に改造する場合について。

まず、使用されていないプログラム入力 P があるかどうかを見つけます。

 この、「使用されていない」と言うのは、デジタルスイッチに接続されていなくて、
常時、Hi か Lo に、固定されてしまっているプログラム入力のことです。

ネットで検索して、使われているPLL‐ICや分周を受け持っているICの、
データ表を見つけてください。

(例) PLL02A などで検索します。
たいていは、英文での説明になっていると思います。


ICの、ピン足に対応した説明を見つけてください。
ここで、ピン足の番号と、それに対応しているプログラム入力番号を書き出します。

(例) ピン足7番 ⇒ P8   ピン足8番 ⇒ P7     ピン足9番 ⇒ P6 などのようになります。

実際に、基板に付いているPLL‐ICや分周を受け持っているICのピン足を調べます。

この場合、ICの表面(型番などが印刷されている面)に、丸いクボミがあるはずです。
このクボミがある足のピンが、1番ピンになります。
ピン足の番号は、ここから順番に、一筆書きで数えて行けばOKです。

どうでしょうか、基板の0V(GND)に接続されていたり、逆に+5Vに接続されている
ピン足はありましたか?

ほとんどの場合、大きい桁の P7 や P8 の入力が固定されてしまっています。
この、固定されているプログラム入力の Hi と Lo を切り替えることにより
分周比 N の数値を変えて、PLLの出力周波数を変更するわけです。

無線機の回路構成により、分周比 N の数値は、プラスしてやる場合とマイナスしてやる
場合がありますから、注意が必要です。



例えば、CB機 pace8030で 考えてみると。

ここでまた、CB機 pace8030 を例に挙げて考えて見ましょう。    

pace8030 の実際の回路では、IC MC14568B の ピン足5番 ⇒ P2 (P6)
(系統図参照)が、0V(GND)に接続されています。

つまり、P2 (P6) が常時 Lo となっています。
この P2 (P6) を0Vから切り離し、+5V を供給して Hi にしてやれば、
分周比 N を+64 増やす事が出来ます。

実際には、0Vから切り離したあと、隣の ピン足4番 ⇒ P3 (P7)に、
リード線でつないでやるだけです。     

切り替え式にする場合は、2接点のトグルスイッチなどを使い、
Hi と Lo を切り替えれば良いかと思います。

※ 他の機種で改造する場合は、使われているPLL‐IC や分周を受け持っている
  IC各ピンの入力定格などを調べて下さいね。


改造すると・・・どうなるか

40チャンネル時の分周比が172ですから、172+64=236 となります。
この改造だけでも、40チャンネルが28.045MHzになるはずです。

ただし、検証をしていませんから、PLLが安定して動作するかは分かりません。
もちろん、コイルコアの調整も必要となります。


pace8030 の場合・・・・。

この改造だけで 完全な28MHz化は出来ません。
分周比 N を変更した後に、LoopOSC水晶の周波数変更も必要ですね。

この場合、局発水晶の周波数は、36.780MHz付近の物で行けそうですね。     
今まで使えなかった、手持ちの水晶が使える可能性も出てきますね。



注意点。

PLL回路は、使われているPLL‐IC や回路構成などにより、
色々なバリエーションの物があります。

1チャンネルの分周比が128で、40チャンネルの分周比が172というタイプや、
1チャンネルの分周比が330で、40チャンネルの分周比が286というタイプの物もあります。

まずは、使われているPLL‐IC の定格を、ネット検索などで調べて見ることです。



以上が、分周比 N での改造方法の概略になります。
これをヒントにして、アマチュア精神バリバリ全開で
カット&トライで、がんばりましょうね!!


改造時における、考え方の概略として記載しましたが、あまりにも
内容がおかしいぞゴラァ〜」と言う場合は、掲示板からでもご連絡下さい。


少しは、お役に立ったでしょうか。

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