27.120MHz ワイヤレスマイクの規則について

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微弱無線局　27.120MHz
ラジコンやワイヤレスマイクの規則について　2025.02.15 更新

総務省の電波利用ポータル内にて微弱無線局の規定が説明されています。
俗に言う 3m法の他にも、500mの距離で 200μV/m以下なら免許が不要 と言う規則もあります。
自分も含めて、皆さんが気になっていると思われるこの規則について考察してみました。

【電波法施行規則第6条第1項第1号】
下記は、微弱無線局に適用される俗に言う 3m法の規則を表したものとなります。
（総務省の電波利用ポータル内、微弱無線局の規定より引用）

【電波法施行規則第6条第1項第2号】
無線設備から５００メートルの距離での電界強度（電波の強さ）が、２００μＶ／ｍ以下のもので、
周波数などが総務省告示で定められている無線遠隔操縦を行うラジコンやワイヤレスマイク用などのものは、
無線局の免許を受ける必要はありません。
微弱無線局関連告示 ⇒ 電波法施行規則第6条第1項第2号を参照。

（下記は、告示内容の抜粋となります。）

【 27.120MHz ±162.72kHz の範囲内が使用可能】
上記の告示内容に、中心周波数が27.120MHz ±162.72kHz とあります。
つまり、26.95728MHz ～ 27.28272MHz の範囲内では、500メートルの距離で 200μV/m以下が適用されると
考えて良いと思われます。
かしわFX886法規研究部様のサイト内。 ⇒ ChapterⅡ : 特定微弱電波を参照。

ラジコン用途としては、日本ラジコン電波安全協会が、1～12バンド（チャンネル）の周波数を設定しています。
ラジコン用 07バンド 27.125MHz が、玩具トランシーバーに使用されている周波数と被っています。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ 73MHz帯産業ラジコン用周波数の改正を参照。

【送信機の出力について】
電界強度が、500メートルの距離で 200μV/m以下を満たす送信機の条件ですが
1.52m（60インチ以下）のロッドアンテナを用いた場合、出力は 50mW 位になると言う記述を見つけました。
History of Citizens Band Radio様サイト内の記述 ⇒ citizens-radio/1957 を参照。

ラジコン用途としては、200μV/m以下と言う電界強度の許容値で示されている理由が説明されています。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ ラジコン用発振器の電界強度（電波の強さ）の許容値を参照。

【スプリアスについて】
規則に、高調波（スプリアス）などについての記載はありませんが、ワイヤレスマイク用途の場合
新スプリアス規定又は、ラジコン用の技術基準などが適用されると思われます。

ラジコン用途の場合は、1984年11月24日郵政省告示第895号の技術基準に従い、
『スプリアス発射の平均電力が、基本周波数の平均電力より40dB低い値を許容値とする。』と定められました。
この－40dB と言う値ですが、旧スプリアス規格に準拠した内容と思われます。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ ラジコン用発振器の標準規格を参照。

（下記の表は、新スプリアス規定で 30MHz以下の周波数に適用される内容となります。）

【玩具トランシーバー＆旧CB検定機は、ワイヤレスマイクとして使えるのか】
玩具トランシーバーや、旧CB検定機の RJ-5、RJ-7、RJ-8、RJ-60 などは、終段以降にローパスフィルターがありません。
27.120MHz の " ワイヤレスマイク " として使用するにしても、そのままでは新スプリアス規定などに引っ掛かると思われます。
下記は、学研ニューラジホーン6 （送信出力25.1mW）のスプリアス測定結果です。
かなり強いスプリアスが発生しているのが分かります。

【ワイヤレスマイクとして認識できるのか】
送受信機が一体化しているトランシーバーが、" 単向通信のワイヤレスマイク " として
扱われるのかと言う問題があると思います。
下記URLには、1957年における FCCと日本の郵政省の制度発足時の内容が記載されています。
History of Citizens Band Radio様サイト内の記述 ⇒ Aug. 03 1957 日本版 FCC Rule Part 15 「免許を要しない無線局」制度化を参照。
History of Citizens Band Radio様サイト内の記述 ⇒ 1用途を参照。
制度発足時の用途を考えると、" 単向通信 " を目的としている事は明らかです。

ラジコン用途としては、（1954年11月24日郵政省告示第895号）において、
『通信方法は、単向通信方式であること。』と規定されていたようです。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ 通信方式を参照。

単向通信方式　⇒　送信のみを行うもの。　ラジオ放送など。
単信通信方式　⇒　送受信を交互に行うもの。　トランシーバーなど。

双方向の通信を目的として考えるなら、送受信機を完全にセパレート化して使用すれば、
" ワイヤレスマイク " としての用途となるのかもしれません。

【電波法施行規則第6条第1項第2号に適合している証明】
自分の送出している電波が、合法なのか又は、違法なのか と言う問題もあります。
自前の測定器で計測して、" 微弱無線局の規則に適合している " と提示できるだけの
データは必要だと思われます。

使用するアンテナを変更したり、送信部のコイルコアの調整などでも送信出力（電界強度）が
変わってしまいます。
そのような不確定な要素を排除しようとすると、現在の合法CB機が受けているような
技術基準適合証明に準ずるような仕様が必要となるかもしれません。

アマチュア無線局の保証認定制度などもそうですが、" 規則に適合しているか否か " と言う証明は、
無線局を開局する者自身が行う事となります。
しかし、自力で校正済みの測定器と、測定環境を構築するのは現実的ではありません。

ラジコン用途の場合は、1984年11月24日郵政省告示第895号に定めるラジコン用発振器の推奨規格に基づく適合証明試験を行い管理すること。
と言う内容に沿って、1985年1月21日に一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が設立され、適合証明試験を行いました。
郵政省告示第895号により規定されていた技術基準ですが、2001年3月に廃止され民間主導へと移行しました。
その後は、一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が業界内の標準規格として規定し適合証明試験を実施していました。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ ラジコン用発振器に関する技術基準を参照。
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ ラジコン用無線局に対する周波数割り当てと自主規制を参照。

【ラジコン標準規格適合証明試験の受付停止】
平成18年総務省告示第173号総務大臣の告示により、試験には 電波暗室に準ずる設備の使用が必須 になり
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が行う適合証明試験は、受付を停止しているようです。
試験手続きの記載を見ると、『天候等により試験が出来ないこともありますので予めご了承願います。』
と言う説明があるので、屋外にて試験を行っていたようです。

一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様サイト内の記述 ⇒ ラジコン用発振器（プロポ）の性能確認の手続き(受付停止中) を参照。
27MHz帯のプロポは、日本ラジコン模型工業会が認定証明を行う事になっていますが、こちらも受付などの記載はないようです。

【微弱無線局　電界強度の測定方法について】
下記のような告示により、測定方法と測定環境が提示されていますが
電波法施行規則第6条第1項第2号の内容については触れられていません。

著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法を定める件 ⇒ 昭和63年郵政省告示第127号を参照。
総務大臣が別に告示する試験設備を定める件 ⇒ 平成18年総務省告示第173号を参照。

【微弱無線局　試験機関について】
下記のような、試験機関に測定を依頼するしかないと思われます。
TELEC 様 ⇒ 微弱無線設備の一般試験性能証明を参照。
UL Solutions Japan 様 ⇒ 微弱無線設備の性能証明業務を参照。

【結論】
ワイヤレスマイクの 500メートルの距離で 200μV/m以下の規則が、
" トランシーバーにも適用されたら面白いな " と思って調べたのですが難しいようです。

27.125MHzのワイヤレスマイク送信機を自作又は、玩具トランシーバー等を改造して調達しても
無線設備が法的に問題ないと言う事を、性能試験を受けて証明しなければいけません。
実施機関で試験を受けて合格すれば、性能証明書の取得は出来ると思われます。
しかし、TELECの場合で基本料金 35,200円＋試験料金 28,800円/時間の費用がかかります。
個人で負担するには、なかなかの金額だと思います。

微弱無線局である事を証明する為なので、手続きの流れとしては
なんらおかしな事は無い訳ですが、なぜか納得出来ない気持ちもあります。

【考え方として】
下記は、どれも免許が不要ですが、使用する無線設備が
電波法の規則に合致している事を証明する必要があります。

合法CB無線局　⇒　免許が不要　⇒　技術基準適合証明が必要（TELEC）
ラジコン送信機　⇒　免許が不要　⇒　適合証明が必要（日本ラジコン電波安全協会）
微弱無線局　⇒　免許が不要　⇒　性能証明書が必要（TELEC 又は、UL Solutions Japan）

TELEC 様よくあるお問い合わせ ⇒ 微弱無線設備 Q56～Q66 を参照。

【このページの内容は、個人的な考察として記載しています。】
個人的に考えてまとめた内容となります。
解釈間違いや、理解不足による不備な内容もあるかと思いますのでご了承願います。
記載内容について、不備や間違いなどがあった場合は、掲示板などからご連絡下さい。

【その他】
1986年（昭和61年）以前に製造＆販売されていた、旧規格の玩具トランシーバー（輸出仕様も含む）について
自己責任での実験や使用を否定する意図はありません。

【下記のサイトに記載されている内容を参考＆引用させて頂きました。】
つくばA3/つくばF3/25AD93 様のサイト内。 ⇒ 免許不要な微弱無線局の電界強度と距離について
History of Citizens Band Radio3 様のサイト内。 ⇒ citizens-radio/1957
かしわFX886法規研究部様のサイト内。 ⇒ 諸外国のフリーライセンス・ラジオ制度
一般財団法人日本ラジコン電波安全協会様 ⇒ 日本ラジコン電波安全協会
一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター様 ⇒ TELEC
総務省電波利用ポータル ⇒ 微弱無線局の規定

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