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下にスライドして行って、見てくださいね。
光波無線 エコーM2 / エコーM3
取扱い説明書と 使用実態 2025.12.26 更新
下にスクロールすると、取扱説明書の画像があります。
手ごろな値段で高性能を謳っていた。
コイルボビンを差し替えると、トランシーバーとしては、HF帯 から 50MHzまで、
受信機としては、HF帯~100MHz帯 まで受信可能。
しかも、AM、FM (SSB)も復調できると言う 夢がある性能を謳っていました。
ほとんどの購入者は、広告に記載されている『 無許可 CB27MHz帯 』で無線を運用する為だったと思われます。
エコーシリーズの取説を よく読んで見ると、この『 無許可 』という意味は
『 必要な許可を得ていない事 』を表している事がわかります。
つまり、無許可でOKという意味ではありません。
読み手側の都合が良いように受け取れる広告の記載方法は、巧妙ですね。
販売については、光波無線の直販と、二光通販による販売もありました。
( 下記の画像は、オークションサイト様からの引用です。)
最終版の エコー MM33 型です。

雑誌に掲載された広告ページです。

じっさいのところは?
外観は、無線機らしくてカッコは良かったんですが、
不要輻射 & スプリアス発生装置ですね。
当時、受信しているだけでも 家のアナログテレビ画面が縞模様になりました。
真空管式の超再生検波は、不要輻射が とてつもなくスゴかったです。
また、送信時にも TVI が発生しました。
田舎の一軒家ならともかく、住宅街での使用はかなり困難だったと思います。
どこがダメだったのか。
致命的だった不具合は、VFOの送信と受信時の周波数が一致しない事でした。
相手局を受信して、送信に切替て呼びかけても、送信周波数が ずれている為
友人の合法CB機と交信が出来ませんでした。
相手局が使用する合法CB検定機は、アマ機のように 受信周波数を調整できません。
同一周波数で送受信ができないエコーシリーズの無線機は、
合法CB検定機の相手局として成り立ちません。
このような不具合がある事などは、購入してから知る事となります。
購入者を惑わす仕様。
受信音調整のボリュームが、送信時には マイクボリュームになると言う
実用性が皆無の変な仕様も理解できませんでした。
Sメーターらしき物があるのにも惑わされました。
実際には、送信時の出力を拾って振れるだけの RFメーターです。
ラジオにある Sメーター のイメージから、勘違いした人もいたと思います。
広告には 受信 : スーパーリゼ方式などと記載してありますが
何のことはない 超再生検波方式の事です。
初心者や無線の素人には、このカタカナ語マジックが効いて
『 なんか凄い 』 と思えてしまいます。
最終型の MM33 に至っては、IC回路搭載などと宣伝していましたが
呼び出しのブザー音発生回路として追加されただけです。
当時の最新デバイスだった IC を売り文句にしたかったのが透けて見えます。
ブザー音の発生回路であれば、トランジスタ1~2石でも足りたのではと思われます。
取り扱い説明書を読み込むと 見えてくるもの。
取説内には、次の文言が出てきます。
『 実験固定局用トランシーバー 』、 『 固定局の補助機 』、 『 CB固定局の実験用補助機 』や
『 調整や校正しあって運用して下さい 』、 『 技術のマスターをして下さい 』、 『 十分に調整のコツを勉強して 』
などの記載があります。
つまり、実用品としてのトランシーバーではなく、無線の実験用途、技術習得
を目的としているような説明書きとなっています。
【 当時の雑誌広告文 】========================================================
やさしく作れて、基地局にもなる本格的な遠距離型、性能と品質アップのエコーシリーズ、
初めての人でも軽々と操作OK、あなたのCB帯27MHzやハム帯7MHz・28MHz・50MHz用の
トランシーバーとも交信ができ6バンド受信専用としてもFBです。
===========================================================================
tetukun99のブログ 様のサイト内 ⇒ 光波無線の雑誌広告ページ
( 下記の画像は、オークションサイト様からの引用です。)
電波技術 1974年3月号 ⇒ 表紙 組み立て記事1
組み立て記事2 組み立て記事3
ラジオの制作 1974年7月号 ⇒ 表紙 広告ページ
組み立て記事1 組み立て記事2
若者が思い描く 夢の無線ライフから 程遠い使えない無線機。
雑誌の広告に載っている説明文を信じて、購入した若者が沢山いたと思います。
完成品を購入すれば、トランシーバーとして問題なく使用できると 普通は思いますよね。
小遣いを貯めたり、親に強請ったりして やっと買ってもらったのに、実用にならない。
当時、学研のラジホーンよりも使えない無線機だった事に、がっかりした記憶があります。
免許不要なCB無線用途として、素人や初心者向けに販売してはダメな無線機だと思います。
実際 まともに運用するには。
送受信周波数のズレを修正する改造や ローパス又はバンドパスフィルターの追加
受信音量VR と マイク音量VR の分離改造などが必要となります。
手にした、ほとんどの人が使用を諦めたのではないでしょうか。
アマ局のリグとしてもNGなのでは。
LC発振のOSCに直接 振幅変調をかけているだけの AM送信機です。
単球式の1ステージ送信機となります。
このような回路構成で申請しても、正式なアマ機として
許可は下りなかったのでは、と思われます。
発売元も、それを理解していた為、取説では 『 実験用 』や、『 補助機 』
と言う言葉を用いていたのだと思います。
CB用としては違法機で、アマ機としても正式には使えない。
この内容を正直に掲載したら、誰も買いませんよね。
今だから、言える事。
エコーM2 に使用されている 真空管 12AU7 は、トランジスタ 2石に相当。
6AR5 は、トランジスタ 1石に相当します。
送信出力の違いと言う点を除けば、学研の3石トランシーバーと ほぼ同等の性能です。
部品や回路について、理解が出来ていなかった当時は、これが分かりませんでした。
理解出来ていれば、購入しないと言う選択をしたかもしれません。
回路図を見ると、送信時の OSC以降にフィルター回路がありません。
かなりのスプリアスをバラまいていたのだと思います。
当時のアナログテレビに TVI が発生する訳です。
ちょっとした改造で、送信出力が 2W にできるので、もちろん自分も改造しました。
今考えると、恐ろしいです。
【 追記1 】 相手局の条件によっては、うまく交信出来た可能性があります。
相手局が、RIT 機能などがある アマ機を使用していた場合。
送受信の周波数ズレ&ドリフトに 相手局が対応してくれる為。
相手局も、エコーシリーズの無線機だった場合。
多少の周波数ズレやドリフトがあっても、超再生検波は 選択度が良くないので受信できてしまう為。
(再生回路は近くに強い信号があると周波数の引込現象(Interlocking)が起きて
発振が強い信号に同期してしまう。 wikipediaより引用。)
【 追記2 】 水晶発振式の改造について。 2025.12.26 追記
取説に記載されていた、TVI の防止 と 送信周波数が安定すると言う
説明を読んで、光波無線から、水晶改造キットを取り寄せて改造しました。
水晶の周波数を、合法CBの1ch 26.968MHz で注文したのですが、
同梱されていた水晶は、それよりも低い周波数が刻印されている物でした。
当時は、取説に記載されているように、水晶に刻印されている周波数が
そのまま送信周波数になると思っていたので、返品して 26.968MHz の水晶を送るようにお願いしました。
しかし、再度送られてきた水晶も、低い周波数の物でした。
発振周波数のズレを考慮した水晶を送ってきていたのかも知れませんが
それを説明してくれる訳でもなく、途方に暮れました。
取説に記載されている 水晶発振の改造説明には、
水晶式にすると 発振周波数は動かない と記載されています。
しかし 同調ダイヤルを動かす事によって、VXO的に多少は変化出来たのでしょうか。
せっかく水晶発振式に改造しても、発振周波数のズレを修正出来なければ
友人の合法CB機と交信出来ません。
結局、水晶式に改造しても意味がありませんでした。
当時は、回路図の内容も理解出来ていなかったし
説明書の通りにやってみる事しか出来ませんでした。
自分の場合は、ここまでやってみて、まったく使えないと落胆しました。
以上の内容は、過去の体験を思い出しながら まとめてみました。
個人的な使用感と言う事を、ご了承願います。
下記の画像ですが、WEB上では、40~70%の大きさに縮小表示させています。
PCに保存してから表示させると、元の大きさで見る事ができます。













修理や調整などの参考になれば幸いです。
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