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下にスライドして行って見て下さい。

TRIO SSB FILTER YK-88S を使用して
YK-88A モドキの、簡易 AM FILTER を作って見ました。
 2022.06.11

OTKさんの、TS-670 改造の記事に掲載されていた内容を参考に致しました。⇒ OTKさんのサイト KENWOOD TS-670

このフィルター改造方法のレポートは、ネット上には詳しく載っていませんが、改造してみた局長さんは他にもいるようです。
JR7XRF局の、フィルター改造の記事を見つけました。 ⇒ TS-660に AMフィルタを : ちょっと失敗

YK-88A AMフィルターを測定したデータが、ネット上にありました。 JK1NMJ局の IFフィルターの特性(YK-88A編)
4点のピークポイントが見えますから、4個のクリスタルフィルターで、6KHzの帯域幅を確保しているように見えます。
OTKさんのサイトに掲載されている、AMフィルター画像と回路が、このタイプの物だと思われます。

ベースにした、YK-88S ですが、製造時期などにより、内部の基板や、クリスタルフィルター、封止樹脂の材質などに
若干の違いがあるようです。

近年では、AMフィルターが、中古でも1万円前後の価格です。
なので、買えないけど、何とかしたいと言う、悪あがきの実験みたいな内容となりますので、ご了承願います。


【 変更する内容について 】
下記は、基板から書き起こした、元々の回路となります。
製造時期により、違いがあるかもしれません。

このフィルターは、SSB用なので、中心周波数は、8.8307MHz  通過帯域幅は、2.4kHzです。
分かり易いように書き直しました。 回路的には変わりません。 2022.06.16



YK-88A AMフィルターの中心周波数は、8.8315MHz  通過帯域幅は、6kHz のようです。

中心周波数の微妙な違いは、ともかくとして、通過帯域幅を広くするのが目的となります。
クリスタルフィルター2個と、不要な部品を取り外して、下記のような回路に変更します。

赤線表示部を追加すると、通過帯域幅が更に広くなるかもしれません。 ( 未検証です。) 2022.06.16



後から考えて見たら、CB機で AMのシングルスーパー機だと、455KHz セラミックフィルター1個 で間に合っているので
この改造も、下記のようにクリスタルフィルター1個で十分だったのかもしれません。( 未検証です。)

フィルターを、1個にする場合は、各フィルターを測定して、8.8315MHz に近い物を選んで下さい。

赤線表示部を追加すると、通過帯域幅が更に広くなるかもしれません。 ( 未検証です。) 2022.06.16



【 改造内容について 】
フィルターの裏側には、封止用の樹脂が充填してあります。
細いマイナスドライバーなどで、金属ケースの淵に沿って、樹脂を削って行きます。
手に、けがをしないように、注意して下さい。

小型の卓上バイスなどで、軽く固定した後に作業すると良いと思います。

内部の基板と、金属ケースが、画像の箇所で、ハンダ付けされていました。

細いマイナスドライバーなどを、金属ケースと樹脂の隙間に差し込みながら、
金属ケースの淵を加熱すれば、ハンダを外せると思います。
自分は、ハンダ付けされているのが分からなかったので、ムリヤリ、バキっと剥がしてしまいました。



基板を割らないように気を付けながら、金属ケースから取り外して下さい。
充填されている樹脂は、柔軟性があったので、基板からきれいに剥がせました。



クリスタルフィルターが、4個組み合わせてあります。
それぞれの周波数を測定して、残す2個を選別すれば良いのですが、面倒なので
両端を残して、他を取り外しました。



不要なフィルター2個と、画像の 62pF 以外のコンデンサーを外します。
赤線の箇所を、ジャンパーします。



この基板に金属ケースを被せて、元通りの形にします。
卓上バイスに挟んで、基板とケースに隙間がないようにして、ハンダ付けして止めれば完成です。

卓上バイスに挟む時、厚紙などを間に入れて挟んで下さい。
直接挟むと、ハンダゴテの熱が、卓上バイスに吸われて、ハンダ付けが出来ません。



【 検証した結果について 】
TS-670 に搭載しました。
AM時のナローだと、YK-88S3 を通ります。 高音がカットされたような、こもった音です。(取説にも記載あり)
スイッチを、AM時のワイドに切り替えると、今回の改造したフィルターを通ります。
高音部分が改善されて、かなり聞きやすい音質になったと思います。

(注意)
AM受信時のノイズ音も高音が強調されるようになります。 ( 雑音が増えたように感じるかも。)
音質は、それぞれ好みがありますから、過度な期待をされないようにお願いします。

TS-670 のように、スイッチの切替で、違いを聞き比べる事が出来ないと、実感出来ないかもしれません。
絶対音感の持ち主とかじゃなければ、聞いて覚えている音質なんて、いい加減ですからね。

でも、まだスッキリとしない、音質かもです。
納得が行かない場合は、クリスタルフィルター1個にした回路も試してみて下さい。(未検証)

一番、AMの音質が良かったのは、フィルター無しで、抵抗1本のスルー状態の時ですね。
ただし、選択度が悪くて、実用にはなりません。

下記の画像で、CWフィルターの位置に、SSBナローフィルターを入れてあります。
そこは、突っ込まないようにお願いします。(笑)

( OTKさん、リスペクトで、画像をちょっといじりました。)



AMモード受信時にのみ、AM専用フィルターが動作する機種を対象にしています。
各モードの送信時には、このAMフィルターモドキは、動作しません。( 送信回路とは無関係です。)

AMフィルターとして、実装する場合は、取扱い説明書をよく読んで、理解したうえで作業して下さい。
基板上の抵抗カット(取り外し)や、配線の差し替えなどの作業を行わないと、取り付けた意味がありません。


上記の内容を参考にして、改造などを行う場合は、
自己責任にてお願い致します。


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