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YUPITERU 50-H5  50MHz帯  2021.04.22

取説の参考画像は、下の方に掲載しています。 2024.02.29 追加

50MHz帯を使用した、小電力(10mW) 5チャンネル レジャー用途のトランシーバーです。
取説には、アマチュア局の免許申請について、記載されていますが、
発売されていた当時は、そんなの お構いなしで使われていたと思います。



ネットで検索したら、PLL式で 5チャンネル切り替え と言う情報を見つけたので、入手してみました。
A〜Eチャンネルの周波数は、下記のようになっています。(定格に記載されている周波数です。)
かなり、中途半端な周波数の設定ですが、理由がありました。
(A) 53.4678MHz (B) 53.4839MHz (C) 53.5000MHz (D) 53.5161MHz (E) 53.5322MHz



外部PTTの接続端子があります。  PTTの手元SW も付属しています。



分解する場合は、裏にあるベルト用クリップを外すと、ネジがあります。



チャンネルツマミを外すと、ナットがありますから、外します。



【 内部の説明 】
基板の裏側です。



基板の表側になります。
水晶やコンデンサが、IC などの上に寝かせてあるのを、見やすいように立たせて撮影しています。
送信と、受信用の VCO が、それぞれあります。
PLL 式なんですが、リファレンスの 10.240MHz 水晶が見当たりません。



【 PLL-IC について 】
PLL-IC LC7150 は、FCC規格のコードレステレホン専用設計品です。
通常は、下図にあるような周波数の構成で使用されます。

ユピテル50-H5 では、周波数を53MHz帯にする為、リファレンスの 10.240MHz水晶が、10.9876MHz に変更されています。
また、分周比 N を設定する、IC内部にあるデコーダの動作ですが、送信時は リモート、受信時は ベースに
切り替えると言う動作をさせています。

PLL-IC LC7150 参考資料



PLL-IC LC7150 参考資料



【 50-H5 のチャンネル周波数 】
(A) 53.4678MHz (B) 53.4839MHz (C) 53.5000MHz (D) 53.5161MHz (E) 53.5322MHz

【 Aチャンネルで、送信動作の場合について 】
送信時、分周比 N を設定するデコーダの動作は、リモートです。
( TX のリファレンス周波数 ) 10.9876MHz(水晶) ÷ 4096 = 0.0026825MHz

(A)53.4678MHzは、TX ・ VCOの周波数を、2逓倍して作られていますので
1/2 にすると、26.7339MHz となります。
この 26.7339MHz を、Aチャンネルの分周比 9966 で割ると、0.0026825MHz となり、計算が合います。


【 Aチャンネルで、受信動作の場合について 】
受信時、分周比 N を設定するデコーダの動作は、ベースです。
( RXのリファレンス周波数 ) 10.9876MHz(水晶) ÷ 2048 = 0.00536505685MHz

0.00536505685MHz × Aチャンネルの分周比 7827 = 41.99229996495MHz(RX ・ VCO周波数)
(A)53.4678MHz − 41.99229996495MHz(RX ・ VCO周波数) = 11.47550003505MHz(1st IF)
11.47550003505MHz(1st IF) − 11.0205MHz(水晶) = 0.45500003505MHz(2nd IF) ≒ 455KHz

【 LC7150 資料 】
PLL-IC LC7150 参考資料
( 本来、リモートは子機、ベースは、親機として動作する同時通話なので、TX と RX の f がクロスしています。)


PLL式のCB機と、同じように、N変更などで簡単に改造出来ると思っていたんですよね。
フタを開けて、PLL-IC のデータシートを見たら、なんじゃこりゃ〜 です。

リファレンス周波数を無理やり変更して、53MHz帯にしています。
自分も、以前に、CB機をこの方法で改造しましたが、メーカーが やっちゃうのがスゴイです。
1st IF の周波数が、約11.4755MHz に変更されているので、1st IF にフィルターは、ありません。
10.245MHz 2nd OSCの水晶が、11.0205MHz に変更されています。

このやり方だと、分周されたリファレンス周波数が、切りの良い周波数に出来ないので、
各チャンネルの送信周波数も、かなり中途半端なものになってしまいます。

相手局が、VFOタイプの無線機だと、こちらに合わせてもらえますが、チャンネル式の無線機相手では
難しいと言うか、交信出来ないですね。
ユピテルや、LAUDAのハンディー機であれば、同じ周波数を採用している機種があります。
また、50-H5 間では、問題なく交信できます。

【 使用されている部品の参考資料 】
MC3361 参考資料 ( 10.7 IF 〜 AF ・ OUT )



LM324A 参考資料 ( マイクアンプと、VOXに使用 )



LM386 参考資料 ( AF ・ Amp )



【 改造案について。 】
一般的な使用方法を考えると、呼び出し周波数の51.000MHz は欲しかったので、
下記のような周波数の構成となりました。

10.9876MHz(水晶) を、10.48043MHzに変更すると、送受信周波数が下記のようになります。
(A)51.000MHz (B)51.0153MHz (C)51.0307 (D)51.0460MHz (E)51.0614MHz

受信の 2nd OSC 11.0205MHz(水晶) も、10.491116MHz に変更します。

チャンネル式の無線機と、まともに交信出来る周波数は、(A)51.000MHz と、
(C)51.0307 ≒ 51.030MHz  (E)51.0614MHz ≒ 51.060MHz くらいでしょうか。

PLL-IC のデコーダ入力の組み合わせで、10チャンネル作れる訳ですが、
なんか、気力が無くなりました〜(笑)

8桁の電卓で計算すると、数値が合わないかもしれません。
きちんと割り切れなくて、桁数が多くなるので、カシオの計算サイトを利用しました。


回路図などが、JR3KQF 様のサイトで公開されています。 ⇒ アイデア情報コーナー


【 系統図について。 】
改造した場合の系統図となります。
未改造で、保証認定の申請をする場合は、PLL系統図や送信機系統図の周波数を修正して下さい。
保証認定の申請には、スペクトラムアナライザで、スプリアスを測定したデータの
添付が必要となる場合があります。



【 新スプリアスの対応について。 】
下記は、「 20171126_新スプリアス JARD.pdf 」より引用して、数値を入れた物です。
送信出力が 10mW の場合、スプリアスは、基本波の搬送波電力より23dBm以上
低い値であれば良いようです。



今更、こんな無線機を改造する人は、居ないと思いますが、取り合えず記録として記載しておきます。



【 取説の参考画像です。】  2024.02.29 追加
(下記の画像は、ネット検索で見つけた物をお借りしています。)








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